475系

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北陸線芦原温泉-丸岡

国鉄は1962年、交流電化区間の都市間輸送列車向けに、直流と交流区間を走行できる451系/471系急行形電車を開発しました。451系は50Hz用、 471系は60Hz用となっています。451/471系は153系電車を基本としていますが、プラットホームが低い区間を走行するため、出入口にステップが設けられています。また、3両編成からの組成を可能にするため、先頭車が電動車となっています。451/471系は主電動機の出力向上により 453/473系に改良されていきました。
更に、急勾配線区に対応するため473系に抑速発電ブレーキを追加したのが475系です。抑速発電ブレーキを追加したため引通し線が追加されているため、付随車も新たに455系列としておこされているため、475系は455系の付随車を共用されています。
台車は構造の簡素化、保守の容易化、および乗り心地の向上が図られたDT32/TR69が採用されました。主制御装置はCS15Bに変更され抑速ブレーキ回路が追加されました。1966年には主制御器の無接点化を図ったCS15Cに変更されています。
473系には空調機が取り付けられていませんでしたが、475系ではグリーン車にAU12S形空調機が取り付けられ、空調機用の電動発電機が床下に取り付けられています。更に、普通車にもAU12S形空調機取り付け準備工事が実施され、空調機の取り付け位置が変更されました。しかし、AU12S形は容量が小さいため出力の増大を図ったAU13E形空調機の取り付け準備工事に変更されました。また、中間電動車はAU72形空調機取り付け準備工事とし、天井にはダクトが設けられました。これらの車両は1969年以降順次冷房装置の取り付けが行われており、中間電動車についてはAU72が、その他の車両はAU12SあるいはAU13Eが取り付けられました。
車内は、グリーン車がリクライニングシート、普通車がクロスシートとなっていましたが、現在普通車の座席の一部をロングシートに改造した車両が見られます。
475系は急行列車廃止に伴い普通列車に転用されましたが、その際に短編成化を進めた結果先頭車両が不足しました。このため、余剰となっていた165系や 169系の先頭車を転用したり、457系のグリーン車を先頭車に改造したりして、不足する先頭車を補いました。
475系は471系や475系と共に北陸線のローカル電車として使われていましたが、521系に順次置き換えが進み、2015年に全廃となりました。

主要諸元
項目	内容
電気方式	直流1500V、交流20000V, 50/60Hz
車両性能	最高速度: 110km/h
全長	19500mm
全幅	2900mm
全高	3654mm
台車	DT32B(動台車)　TR69B(付随台車)
集電装置	PS16B, PS16D, PS16H
主電動機	MT54, MT54B(120kW)
駆動装置	中空軸平行カルダン撓み板継手方式(歯数比: 4.21)
主変圧器	TM10
主整流器	RS22, RS22A
制御方式	抵抗制御(CS15B, CS15C, CS15E)
冷房装置	AU12S, AU13E, AU72
設計	日本国有鉄道