87系 形式一覧	87系 山陽線 瀬戸-上道
	JR西日本はさらなる鉄道の魅力を創出するため、移動そのものを楽しめる新たな寝台列車として2017年に87系寝台気動車「Twilight Express 瑞風」を開発しました。 87系は10両編成で、6両の寝台車、2両の展望デッキ付き展望車、及び、食堂車とロビーカーで構成されます。5両の寝台車はツインルーム3室、残りの1両はスイートルーム1室を備えます。寝台車は付随車、それ以外の車両は動力車です。動力車及びダブルデッカー構造の7号車は鋼製、それ以外の車両はアルミ合金製で、ダブルスキン構造が採用されました。両先頭車には展望デッキが設置されており、展望デッキの上に運転室を設けました。 台車は軸梁式のボルスタレス空気バネ台車WDT69/WTR250で、乗り心地向上のためヨーダンパやアンチローリング装置の他、上下セミアクティブ制震装置。左右フルアクティブ制震装置を取り付けました。 87系は非電化の山陰線を走行するためディーゼル発電機の電力と蓄電池によって主電動機を駆動するシリーズ式ハイブリッドシステムを採用しました。動力車は2基の発電機が搭載されており、出力コマツ製ディーゼルエンジンSA6D140HE-3に出力400kVAのWDM115形発電機を直結させている。発電された電力は440V/60Hz一定で、走行用の他に空調装置や照明に供給することで、補助電源装置を省略している。走行用電力は全波整流された直流を用いることで主変換装置を簡素化し、インバータ電圧を600Vと低電圧化したことと水冷式とすることで主変換装置を小型化が実現し、屋根上への搭載が実現しました。主回路用蓄電池はリチウムイオンバッテリで、力行時のアシストや発電エンジン停止時の力行用電源として使用できます。また、ブレーキ時の回生電力の充電や惰行運転時の発電装置からの充電もできます。主電動機はインバータの電圧600Vに対応した出力130kWの誘導電動機WMT108で、主制御装置により個別制御されます。ブレーキは回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキで抑速ブレーキが使用可能です。 車内はアールデコ様式を床・壁・天井の内装全般、家具・備品類に採用し3種類の個室が設けられました。 ・ロイヤルシングル キサイネ86形400番台に2室設けられました。室内にはベッド、デスク、シャワールーム、洗面所、トイレが設置されています。上段ベッドを展開すると2名での利用ができます。 ・ロイヤルツイン キサイネ86形0番台、100番台、200番台、300番台にそれぞれ3室設けられました。ツインベッドの他に、デスク、シャワールーム、洗面所、トイレが設置されています。 ・ロイヤルツイン(ユニバーサル仕様) キサイネ86形400番台に1室設けられました。ロイヤルツインをベースに車椅子が可能なように扉寸法の拡大や操作スイッチが設置されています。 ・ザ・スイート キサイネ86形500番台に1室設けられました。エントランス、プライベートバルコニー、リビング・ダイニング、バスタブ付バスルーム、トイレ2室を持つツインルームです。ダブルデッカー構造で階下に通路を設置することで、広い個室空間を実現しています。 ・パブリックスペース キシ87: オープンキッチンを持つ食堂車。床下にディーゼル発電機を搭載しています。 キラ86: ラウンジカーでバーカウンター、立札の茶の卓、共用トイレ、喫煙室が設置されています。床下にディーゼル発電機を搭載しています。 キイテ87: ハイデッカー式展望室とオープン展望デッキが設置されています。 87系は「Twilight Express 瑞風」として、京阪神と山陰/山陽エリア間で運行されています。
	主要諸元 項目 内容 車両性能 加速度: 1.6km/h/s 減速度: 3.9km/h/s 最高速度: 110km/h 全長 20800mm 全幅 2900mm 全高 4070mm 台車 WDT69 (動台車) WTR250 (付随台車) 駆動機関 SA6D140HE-3 (450PS×2) 発電機 WDM115 主電動機 WMT108 (130kW) 駆動装置 WN平行カルダン歯車形たわみ軸継手方式(WQD307 歯数比: 6.53) 制御方式 2レベルVVVFインバータ個別制御 (WPC17) 冷房装置 WAU706A-G1 (20,000kcal×2), WAU710 (20,000kcal×2), WAU711(6,000kcal×5) 設計 JR西日本