701系100番台 0番台 1000番台 1500番台 5500番台 形式一覧	奥羽線 北常盤-川部
	登場の背景と概要 秋田地区の奥羽・羽越線では機関車牽引列車により普通列車を運行していましたが、通勤時間帯以外は2~3両編成が多く、また始終着駅での機関車の付け替え、客車の増解結作業により効率が悪い状態になっていました。また、機関車や客車の老朽化が進んでいたことから、JR東日本は客車列車を電車化するため、701系通勤形交流電車を開発しました。701系0番台は1M2Tの3両編成と1M1Tの2両編成があり、1993年に3両編成が13本、2両編成が25本製造されました。 車体 701系0番台は幅2870mmのビードレス狭幅軽量ステンレス車体で、プレスされた部材と外板を突き合わせそれ自体が強度を保っている、いわゆる2シート工法が採用されています。外板は無塗装で側面の窓下にはマゼンダの帯、前面窓下に濃淡のマゼンダの帯が配されました。先頭部は貫通扉が設置されており、運転席は低運転台構造です。車体側面には幅1300mmのステップ付き自動両開き扉が3カ所設置され、押しボタンによる手動開閉が可能です。戸閉装置は直動式のTK113Cで、鴨居部に取り付けられています。扉間には高さ960mmの4連窓、車端には固定窓が設置されており、扉間の4連窓のうち中央の2箇所は2段上段下降式となっています。窓ガラスは熱線吸収ガラスを採用し、ブラインドを廃止しました。車体側面には駅で待つ乗客に車掌が案内放送をするためのスピーカと行先方向幕が設置されました。屋根上には38000kcal/hのユニットクーラAU710Aが1台設置されています。通風器は設置されていません。分割併合を容易にするため、先頭部には自動解結装置が取り付けられました。 台車 209系の台車を基本に床面高さを下げるため台車枠形状を変更したDT61A/TR246Aで、牽引力は1本リンク式牽引装置に変更されています。枕バネは空気バネ、軸箱支持方式は軸梁式としています。基礎ブレーキ装置は動台車が車輪踏面片押し式、付随台車が車輪踏面片押し併用ディスク式です。 走行機器及び補機 主変換装置はコンバータとインバータを一体化したCI1で、主変圧器2次側出力をサイリスタ、ダイオードを用いたコンバータで定電圧化を図った後、パワートランジスタを使用したVVVFインバータ制御により、出力125kWの誘導電動機MT65を4台制御しています。主変圧器TM26は外鉄形送油自冷式で、1次側20kV、2次側825Vの他、3次388Vの出力です。歯数比は7.07で駆動装置は中実軸TD平行カルダン方式としました。空気ブレーキ装置は発電ブレーキ併用電気指令式を採用しました。クモハ701形の床下には、主変換装置、主変圧器の他に電動発電機MH1083-DM107Aが、屋根上には下枠交差形パンタグラフPS104と発電ブレーキ用主抵抗器MR102が設置されています。クハ700形の床下には電動空気圧縮機MH1112-C1600MFが設置されています。 客室設備 客室設備はバケットタイプのロングシートで、座席端には袖仕切が設置されています。客室天井は冷房用ダクトを天井内に埋め込まれ、また冷風吹出口がスリット状になりました。運転室は半室構造で、ワンマン運転を考慮して低運転台構造としています。なお、ワンマン運転機器は2両編成では設置されており、3両編成は準備工事となっています。貫通扉はワンマン運転時の移動を容易にするため貫通路幅を1200mmとした両開き扉としています。クハ700形には洋式トイレが設置されており、循環式汚物処理装置が取り付けられています。また、トイレの向かい側は車椅子スペースとしています。 運用 701系は1993年6月より秋田地区の奥羽線、羽越線の普通電車として営業運転を開始しました。 改造 2000年にクハ700-36〜38にクロスシートを4組設置する改造が実施されました。また、クモハ701-36〜38の集電装置がシングルアーム式のPS106Aに取り替えられました。これらの車両は2009年にシングルアーム式のPS109に取り替えられています。それ以外のクモハ701形は2005年以降、集電装置はPS109に取り替えられています。 JR東日本は2009年から主変換装置が、3レベルIGBTコンバータと2レベルIGBTインバータで構成されるCI19に更新されました。CI19は台車単位で4台の主電動機を制御し、故障時は台車単位で開放することができます。また、主変圧器は主変換装置の高調波に対応したTM32Aに取り替えられています。主変換装置の更新に伴い、空気ブレーキ装置は回生ブレーキ併用電気指令式に変更となり、クモハ701形の屋根上に設置されていたブレーキ抵抗は撤去されました。また、行先方向幕はLED表示装置へ更新されました。 廃車及び現在の運用状況 2016年に踏切事故で大破した3両編成が2020年に廃車となりました。また、3両編成2本が2両編成化されたため、サハ701形が2両廃車となっています 現在の運行状況 701系は現在、秋田地区の奥羽線の新庄-青森間、羽越線の鶴岡-秋田間、及び津軽線の普通電車として使用されています。
	主要諸元 項目 内容 電気方式 交流20000V, 50Hz 車両性能 最高速度: 110km/h 全長 19500mm 全幅 2800mm 全高 3620mm 台車 DT61A(動台車)　TR246A(付随台車) 集電装置 PS104/PS106 主電動機 MT65 (125kW) 駆動装置 中実軸TD平行カルダン方式 (歯数比: 7.07) 主変圧器 TM26/TM32A 制御方式 PWMコンバータ・VVVFインバータ制御: CI1/CI19 冷房装置 AU710A (38000kcal/h) 設計 JR東日本