211系6000番台

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東海道線沼津-三島

登場の背景と概要
JR東海は御殿場線の輸送力増強のため、2両編成の211系を導入するため、1M方式を導入した6000番台を1990年に開発し、3編成が静岡車両区に投入されました。

車体
客室からの前方視界を拡大するため、213系0番台と同様、先頭車助手席側前面窓を大きくしました。211系6000番台はインバータ制御のC-AU711D-G1を屋根上に2台搭載しています。身延線など狭小トンネル区間での使用を考慮してパングラフ設置部が低屋根になっています。車体側面には駅で待つ乗客に車掌が案内放送をするためのスピーカが設置されました。また、車体側面には電動行先方向幕が取り付けられています。分割併合を容易にするため、先頭部には自動解結装置が取り付けられました。

台車
台車は牽引装置をZリンク式とした軽量ボルスタレス方式のC-DT56/C-TR241で、ヨーダンパ取付準備工事が行われています。

走行機器及び補機
主電動機には端子電圧750Vで出力120kWのC-MT64A直流直巻電動機で、歯数比は5.19としています。クモハ211形6000番台に設置された界磁添加励磁方式を採用したC-CS59A形により、4個の主電動機を制御しています。主電動機は内扇形を採用し、また、客室内の主電動機点検蓋を廃止することで、低騒音化を実現しています。抵抗制御段では抵抗制御と直並列組合せ制御を行いますが、界磁制御領域ではC-HS64形界磁添加励磁装置により誘導分路に流す電流を制御することにより、界磁電流の制御を行うなど211系5000番台と同等の性能を持ち、211系5000番台との併結を可能としています。抑速ブレーキが使用可能で40km/h以上で抑速指令を出した場合は、その時点の速度を維持するように制御されます。回生ブレーキにより所定の制動力が維持できなくなった場合は、空気ブレーキを補足します。クモハ211形6000番台の屋根上にはC-PS24A形パンタグラフが設置されており、パンタグラフ取付部を低屋根とすることでパンタグラフ折りたたみ高さを3960mmとしています。また、出力90kVAの静止形インバータ補助電源装置C-SC27、及び電動空気圧縮機MH3094-C1000MLをそれぞれ1台取り付けています。空気ブレーキ装置は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキを採用しました。

客室設備
車内はロングシートで、シートの奥行きを変更したことで座り心地が向上しています。側引戸の内面には、化粧板が貼り付けられています。荷棚はパイプ式に変更されています。また、トイレは設置されていません。

増備車
JR東海は、1991年に211系6000番台を6編成追加増備しました。これらの車両は、下降窓の一部が固定化されています。また、車外スピーカは冷房装置に内蔵されたため、冷房装置がC-AU711D-G4に変更されています。

改造
JR東海は2002年よりクハ210の座席の一部を撤去し、車椅子スペースを設けました。また、2006年よりパンタグラフをシングルアームタイプのC-PS27への取り替えを実施しました。

運用
211系6000番台は1990年より御殿場線で使用されていました。現在は、東海道線、御殿場線と身延線の普通電車に使用されています。

主要諸元
項目	内容
電気方式	直流1500V
車両性能	最高速度: 110km/h
全長	19500mm
全幅	2950mm
全高	4140mm
台車	C-DT56(動台車)　C-TR241(付随台車)
集電装置	C-PS24A, C-PS27
主電動機	C-MT64A (120kW)
駆動装置	中空軸平行カルダン撓み板継手方式(歯数比: 5.19)
制御方式	界磁添加励磁制御(C-CS59A)
冷房装置	C-AU711D (18000kcal/h×2)
設計	JR東海