313系2300番台

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東海道線用宗-焼津

登場の背景と概要
JR東海は静岡地区の普通電車に使用されている113系を置き換えるため、2006年に313系2300番台を開発しました。313系2500番台は211系と併結運転が可能な設計としています。313系2300番台は1M1Tの3両編成で9編成が製造されました。

車体
313系2300番台は幅2930mmの広幅軽量ステンレス車体を採用しました。様々な座席配置に対応できるよう、強度部材である吹寄柱をなくしています。外板は無塗装で側面の窓下と幕板にはJR東海のコーポレートカラーである橙色の帯が配されています。先頭部構体は貫通扉付きの普通鋼製としており、白色で塗装されています。運転席は低運転台構造で、前面窓を大型曲面ガラスとすることで、前方および側面の視界を確保しています。前照灯はプロジェクタ式HID、及び白色LEDに変更されました。また、先頭部を除く車両間に転落防止幌が取り付けられました。車体側面には幅1300mmの自動両開き扉が3カ所設置され、押しボタンによる手動開閉が可能です。扉間には高さ930mmの4連固定窓、車端には内倒れ式の窓が設置されています。遮音性と結露防止のため全ての窓にUVカット複層ガラスを採用しています。先頭部にはフルカラーLED行先表示装置及びフルカラーLED種別表示装置、車体側面にはフルカラーLED行先表示装置が設置されています。屋根上には冷媒をR407Cとした21000kcal/hのユニットクーラC-AU715が2台取り付けられています。駅で待つ乗客に車掌が案内放送をするためのスピーカが屋根上に設置されました。分割併合を容易にするため、先頭部には自動解結装置が取り付けられました。

台車
台車は軽量ボルスタレス方式のC-DT63B/C-TR251Aで、牽引力は1本リンク式牽引装置を介して伝達されます。枕バネは空気バネ、軸箱支持方式は円錐積層ゴムとし、高速走行時の安定性確保のためヨーダンパが取り付けられています。動台車の動力伝達方式はCFRP製のたわみ板を用いたたわみ軸継手(TD継手)方式としています。基礎ブレーキ装置は動台車が車輪踏面片押し式、付随台車が1軸2枚のディスクブレーキで、車輪踏面清掃装置が設置されています。

走行機器及び補機
主制御装置はIGBTを採用し出力185kWの三相誘導電動機C-MT66Cを4台台車単位で制御するベクトル制御を採用した3ステップVVVFインバータ制御部と80kVAの出力を持つ補助電源ユニットを一体化したC-CS37Aで、補助電源ユニット故障時は主制御器を1群開放し、VVVFインバータをCVCF運転することで補助電源機能をバックアップできます。電動空気圧縮機はC-C1000MLで制御車の床下に設置されています。集電装置はシングルアーム式パンタグラフC-PS27Bが電動車の屋根上に1基取り付けられています。なお、うち2編成は霜取り用パンタグラフが取り付けられて、2350番台で区分されています。空気ブレーキ装置は、閑散線区で回生ブレーキの失効対策として回生・発電ブレンディングブレーキ併用電気指令式空気ブレーキで、T車遅れ込め制御を取り入れています。回生ブレーキには全電気ブレーキ方式が導入されています。

客室設備
客室設備は一人あたりの座面幅を460mmとしたロングシートで、扉間の座席中間にスタンションポールが設置されています。側窓にはフリーストップ式ロールアップカーテンが取り付けられています。天井照明カバーはガラス繊維製に変更されました。客室天井は冷房用ダクトを天井内に埋め込まれ、また冷風吹出口がスリット状になりました。吊革は車体全長にわたって取り付けられています。出入台上部にはLED式車内案内表示器が設置されました。クハ312形2300番台には循環式汚物処理装置付き車椅子対応洋式トイレが設置されており、トイレの入り口を拡大すると共に、押しボタンによる自動開閉としました。

運用
313系2300番台は、2006年11月より東海道線、御殿場線、及び身延線の普通電車として活躍しています。

主要諸元
項目	内容
電気方式	直流1500V
車両性能	最高速度: 130km/h
全長	19500mm
全幅	2930mm
全高	3630mm
台車	C-DT63B (動台車)　C-TR251A (付随台車)
集電装置	C-PS27B
主電動機	C-MT66C (185kW)
駆動装置	中実軸TD平行カルダン方式 (歯数比: 6.53)
制御方式	3ステップVVVFインバータ C-SC37A
冷房装置	C-AU715 (21000kcal/h×2)
設計	JR東海