313系8000番台 0番台 300番台 1000番台 1100番台 1300番台 1500番台 1600番台 1700番台 2300番台 2500番台 2600番台 3000番台 5000番台 5300番台 8000番台 形式一覧	中央線 高蔵寺-定光寺
	登場の背景と概要 JR東海は中央線の名古屋-中津川間で座席指定制快速電車「セントラルライナー」の運転開始に合わせて、313系8000番台を1999年に神領電車区に投入しました。313系8000番台は2M1Tの3両編成で4編成が製造されました。 車体 313系8000番台は幅2930mmの広幅軽量ステンレス車体を採用しました。様々な座席配置に対応できるよう、強度部材である吹寄柱をなくしています。外板は無塗装で側面の窓下にはJR東海のコーポレートカラーである橙色と白色の帯が、窓周りは橙色のグラデーションストライプが配されています。先頭部構体は貫通扉付きの普通鋼製としており、シルバーメタリックで塗装されています。運転席は低運転台構造で、前面窓周りには橙色のグラデーションストライプが配されています。また、先頭部を除く車両間に転落防止幌が取り付けられました。車体側面には幅1300mmの自動両開き扉が3カ所設置され、扉間には高さ930mmの3連固定窓、車端には内倒れ式の窓が設置されています。「セントラルライナー」として使用する際、中央扉を締め切るため、車体側面との一体感を出すため扉にも橙色と白色の帯が配されています。遮音性と結露防止のため全ての窓にUVカット複層ガラスを採用しています。先頭部には電動行先方向幕及び電動種別表示幕、車体側面には電動行先方向幕及び号車・座席種別表示幕が設置されています。屋根上には21000kcal/hのユニットクーラC-AU714Aが2台取り付けられています。駅で待つ乗客に車掌が案内放送をするためのスピーカが屋根上に設置されました。分割併合を容易にするため、先頭部には自動解結装置が取り付けられました。 台車 台車は軽量ボルスタレス方式のC-DT63A/C-TR251で、牽引力は1本リンク式牽引装置を介して伝達されます。枕バネは空気バネ、軸箱支持方式は円錐積層ゴムとし、高速走行時の安定性確保のためヨーダンパが取り付けられており、C-DT63に対して空気バネの左右間隔が20mm拡大されています。動台車の動力伝達方式はCFRP製のたわみ板を用いたたわみ軸継手(TD継手)方式としています。基礎ブレーキ装置は動台車が車輪踏面片押し式、付随台車が1軸2枚のディスクブレーキで、車輪踏面清掃装置が設置されています。 走行機器及び補機 313系8000番台はMT比を1:1とするため、モハ313形8500番台に動台車と付随台車が取り付けられています。このため、クモハ313形8500番台の主制御装置は、IGBTを採用し出力185kWの三相誘導電動機C-MT66Aを4台台車単位で制御するベクトル制御を採用した3ステップVVVFインバータ制御部と150kVAの出力を持つ補助電源ユニットを一体化したC-CS37で、補助電源ユニット故障時は主制御器を1群開放し、VVVFインバータをCVCF運転することで補助電源機能をバックアップできます。一方、モハ313形8500番台の主制御装置は、主電動機を2台制御するVVVFインバータ制御部のみをもち、補助電源ユニットをもたないC-CS38G2です。電動空気圧縮機はC-C2000MLで制御車の床下に設置されています。集電装置はシングルアーム式パンタグラフC-PS27Aが電動車の屋根上に1基取り付けられています。空気ブレーキ装置は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキで、抑速ブレーキとT車遅れ込め制御を取り入れています。 客室設備 客室設備は、シートピッチ910mmの枕部可動式転換クロスシートが2-2列で設置されており、背ずりは他番台の転換クロスシートより高くなっています。車端部にはシートピッチ1150mmで座席間に大型テーブルを設けた固定式クロスシートが設置されています。側窓枠はアルミ製からFRP製に変更されています。また、ロールアップカーテンの代わりに横引きプリーツカーテンが取り付けられています。出入り口と客室の間にはパーティションが設けられています。荷物棚は金属製から特急車両で使用されている樹脂製としました、客室天井は冷房用ダクトを天井内に埋め込まれ、また冷風吹出口がスリット状になりました。吊革は車体全長にわたって取り付けられています。パーティションが設置されたため、出入台部の通路上部天井にLED式車内案内表示器が2箇所設置することで、座席からの視認性を確保しています。クハ312形8000番台には循環式汚物処理装置付き車椅子対応洋式トイレが設置されています。なお、自動放送装置が取り付けられています。 運用 313系8000番台は1999年12月より中央線の快速「セントラルライナー」で営業運転を開始しました。しかし、利用者が増加したことを踏まえて、2001年に3両編成が2本増備されました。2007年3月からは130km/h運転を開始しました。しかし、快速「セントラルライナー」は2013年に廃止となったため、313系8000番台は現在、中央線の普通電車や快速電車に使用されています。
	主要諸元 項目 内容 電気方式 直流1500V 車両性能 最高速度: 130km/h 全長 19500mm 全幅 2930mm 全高 3630mm 台車 C-DT63A (動台車)　C-TR251(付随台車) 集電装置 C-PS27A 主電動機 C-MT66A (185kW) 駆動装置 中実軸TD平行カルダン方式 (歯数比: 6.53) 制御方式 3ステップVVVFインバータ C-SC37 (クモハ313), C-SC38-G2 (モハ313) 冷房装置 C-AU714A (21000kcal/h×2) 設計 JR東海