E231系1000番台 0番台 500番台 800番台 900番台 1000番台 形式一覧	東海道線 辻堂-藤沢
	登場の背景と概要 JR東日本は209系950番台の東北・高崎線用型式であるE231系1000番台を2000年に開発しました。E231系1000番台は4M6Tの10両編成と2M3Tの5両編成があり、2000年3月から2003年2月にかけて10両編成が41本と5両編成が28本製造され、小山電車区に投入されました。 車体 軽量ステンレス車体を採用し、床面高さを209系950番台より15mm下げた1165mmと低くしており、車体の低重心化とホーム段差の縮小によるバリアフリー化を実現しています。外板は無塗装で側面の窓下には緑とオレンジ色の帯が、窓上には緑色の帯が配されました。車体構造は製造を担当した会社により異なります。東急車輌製造製の車体は、従来からの梁と外板を組み合わせた構造(梁が強度を保っている)を改良したものを採用しています。一方、川崎重工業製の車体は、プレスされた部材と外板を突き合わせそれ自体が強度を保っている、いわゆる2シート工法が採用されています。運転室は踏切事故を考慮してE231系0番台より185mm高く設置すると共に、踏切事故時の衝突エネルギ吸収構造を採用したため運転室は長手方向に490mm長くなりました。このため先頭車の一番前の扉がE231系0番台と比べて880mm後ろ寄りに設置されています。前面窓の上左右には高輝度放電灯(HID)を採用した前照灯が、前面左右下部に角形のLED尾灯が取り付けられた先頭部は銀色塗装されたFRPカバーで覆われています。先頭部を除く車両間に転落防止幌が取り付けられました。車体側面には幅1300mmの自動両開き扉が4カ所設置され、押しボタンによる手動開閉が可能です。扉間及び車端部には熱線吸収ガラスを採用した窓を設置し、中央部を除く扉間は下降窓、それ以外は固定窓です。戸閉装置はリニアモータ駆動式TKE152で、鴨居部に取り付けられています。また、車体側面にはLED行先表示装置が設置されています。10両編成と5両編成を連結するため、10両編成のクハE230形8000番台以外の先頭車に自動解結装置が取り付けられています。屋根上には42000kcal/hのユニットクーラAU725Aが取り付けられています。通風器は取り付けられていません。 台車 台車は軽量ボルスタレス方式の動台車がDT61G、サハE231形1000/6000番台の付随台車がTR246N、先頭車前位の付随台車がTR246M、後位の付随台車がTR246Pで、牽引力は1本リンク式牽引装置を介して伝達されます。枕バネは空気バネ、軸箱支持方式は軸梁式で空気バネ有効径が560mmに戻され、ヨーダンパ取付準備工事が追加されています。動台車の動力伝達方式はCFRP製のたわみ板を用いたたわみ軸継手(TD継手)方式で、歯数比は7.07としています。基礎ブレーキ装置は動台車が車輪踏面片押し式、付随台車が車輪踏面片押し併用ディスク式です。 走行機器及び補機 モハE231形1000/1500番台に設置された主制御装置はIGBTを採用した2ステップVVVFインバータ制御装置SC59Aで、モハE230形1000/3500番台を含めた8台の三相誘導電動機MT73(出力95kW)を車両単位で制御しています。補助電源装置はIGBTを使用した210kVAのSC66で、モハE230形1000/3500番台の床下に設置されています。電動空気圧縮機はスクリュ方式のMH3119-C1600S1でモハE230形1000/3500番台の床下に設置されています。集電装置はシングルアーム式パンタグラフPS33BがモハE231形1000/1500番台の屋根上に1基取り付けられています。E231系1000番台はRS485インターフェイスを採用した情報管理装置(TIMS)が非常ブレーキを除く動力制御、車内放送、乗務員連絡、非常通報装置などの音声情報、空調制御、自動点検を取り扱っています。空気ブレーキ装置は抑速ブレーキとT車遅れ込め制御を取り入れた回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキで、TIMSにより編成単位でのブレーキ制御を実現しました。 客室設備 10両編成のクハE230形8000番台とモハE230形3500番台、及び5両編成のクハE231形8000番台とサハE231形3000番台の客室設備はシートピッチ1500mmのセミクロスシート、それ以外は一人あたりの座面幅を450mmとした片持ち式ロングシートで、扉間の座席中間にスタンションポールが設置されています。座席のクッション材はリサイクル性を考慮したポリエステル樹脂成形品を採用しました。各出入台上部にはLED式車内案内表示器とドアチャイムが設置されています。熱線吸収ガラスを側窓に採用したため、カーテンを廃止しています。クハE230形6000/8000番台の後側車端には車椅子対応大形トイレが、サハE231形6000番台には和式トイレが設置されており、いずれも真空式汚物処理装置が採用されています。 増備 2004年に高崎・東北線で使用されていた115系の置換えが完了したため、引き続き東海道線で使用されている113系の置換えのため、2004年1月から2006年1月にかけて2両の2階建てグリーン車を含む10両編成が42本と5両編成が34本製造され、国府津電車区に投入されました。湘南新宿ラインで使用されている小山電車区のE231系1000番台にもグリーン車を連結することから、小山電車区の10両編成に組みこまれていた2両のサハE231形1000番台が国府津電車区の10両編成に転用されました。これらの車両は、小山電車区に投入されたE231系1000番台に対していくつかの変更が加えられています。車体幕板部には車外スピーカ取付準備工事が実施されました。また、冷房装置は50,000kcal/hのAU726Aに変更されました。窓には赤外線と紫外線100%カットのガラスが採用されました。 主変換装置はIGBTを採用した2ステップVVVFインバータ制御装置SC77に、補助電源装置は冷房装置の容量増加に対応するため出力260kVAのSC75、あるいはSC76にそれぞれ変更されました。 客室設備は10両編成のクハE230形8000番台とモハE230形3500番台に加えてクハE231形8500番台とモハE231形3500番台、及び5両編成のクハE231形8000番台とサハE231形3000番台の客室設備はシートピッチ1500mmのセミクロスシート、それ以外は一人あたりの座面幅を450mmとした片持ち式ロングシートで、扉間の座席中間にスタンションポールが設置されています。座り心地を改善するため、座面にSバネが採用されました。なお、小山電車区の10両編成と異なり編成中の普通車のトイレは先頭車のみです。また、情報提供装置(VIS)を搭載しており、各出入台上部にはLED式車内案内表示器は2段表示可能な大形のものに変更されています。なお、乗務員室の計器は液晶ディプレイに置き換えられました。 グリーン車は車体後方に洋式トイレと洗面所が設置されたサロE231形1000番台と車体前方に車掌室が設置されたサロE231形1000番台があります。車体は1階部の床幅を確保する目的で車体の裾絞りを小さくしたことから、車体幅を2900mmとしました。車体側面に幅810mmの片開扉が2箇所設置され、2階建部は広幅固定窓、車体両端部の平屋部座席ごとの小窓が設けられています。車体幕板部には車外スピーカ取付準備工事が実施されました。車端屋根上には20,000kcal/hのAU729冷房装置が2台設置されています。台車は軽量ボルスタレス方式のTR246Tで、牽引力は1本リンク式牽引装置を介して伝達され、高速走行時の安定性確保のためヨーダンパを備えています。基礎ブレーキ装置は車輪踏面片押し併用ディスク式です。客室設備はシートピッチ970mmの回転リクライニングシートで、各座席の上にはSuicaリーダ/ライタを設置しました。 2006年2月から2007年3月にかけて小山電車区に10両編成が8本、5両編成が7本追加投入されました。これらの車両は国府津電車区に投入された車両と同一仕様で、サハE231形6000番台のトイレは洋式に変更されました。 改造 2015年より主変換装置がSC112に、補助電源装置がSC114に、それぞれ更新が開始されました。 運用 高崎・東北線で使用されている115系を置き換えるため2000年3月より小山電車区にE231系1000番台の投入が開始され、2000年6月より東北線の快速電車及び普通電車で営業運転を開始しました。引き続き、2001年9月より高崎線、上越線、両毛線の快速電車及び普通電車で営業運転を開始しました。2001年12月より湘南新宿ラインの運転開始に伴い、横須賀線や東海道線への乗り入れを開始しました。2004年には115系の置換えが完了しました。 一方、東海道線で使用されている113系を置き換えるため、2004年1月より国府津電車区にE231系1000番台の投入が開始されました。引き続き2004年10月より湘南新宿ライン及び東海道線、伊東線、御殿場線の快速電車及び普通電車で営業運転を開始し、2006年に113系の置換えが完了しました。なお、御殿場線の運転は2012年に廃止されました。 E231系1000番台は、現在、東海道線、東北線、横須賀線、高崎線、上越線、両毛線、伊東線の快速電車と普通電車に使用されています。
	主要諸元 項目 内容 電気方式 直流1500V 車両性能 加速度: 2.3km/h/s　最高速度: 120km/h  全長 19500mm 全幅 2950mm 全高 3655mm 台車 DT61G(動台車)　TR246M, N, P, T(付随台車)) 集電装置 PS33B 主電動機 MT73 (95kW) 駆動装置 中実軸TD平行カルダン方式 (歯数比: 7.07) 制御方式 2ステップVVVFインバータ制御(SC59A/SC77) 冷房装置 AU725A (42000kcal/h) AU726A (50,000kcal/h) 設計 JR東日本