E231系900番台 0番台 500番台 800番台 900番台 1000番台 形式一覧	総武線 新小岩-小岩
	登場の背景と概要 JR東日本は209系に対して更なるコストダウンのための車体構成の見直しと近郊形と通勤形に共通に使用できる汎用性を盛り込んだ209系950番台を1998年に試作しました。209系950番台は10両編成で、MT比は4:6です。 車体 車体は通勤形と近郊形の車体共通化と混雑緩和のため、JR東日本の通勤形電車として初めて車体幅を2950mmまで拡大しました。これに伴い、台車中心間距離はE217系と同じ13800mmとしました。また、209系0番台では先頭車の車体長は中間車と比べて420mm長くなっていましたが、近郊形では先頭車が編成中間に連結されるため、車体長は19500mmに統一されました。先頭部は銀色塗装されたFRPカバーで覆われています。先頭部を除く車両間に転落防止幌が取り付けられました。サハ208形950番台の車体側面には幅1300mmの自動両開き扉が6箇所設置され、扉間には熱線吸収ガラスを採用した窓が設置され、両端と中央し下降窓、それ以外は固定窓です。一方、それ以外の車両は幅1300mmの自動両開き扉が4カ所設置され、扉間及び車端部には熱線吸収ガラスを採用した窓が設置され、中央部を除く扉間は下降窓、それ以外は固定窓です。戸閉装置がリニアモータ駆動式で、鴨居部に取り付けられています。また、車体側面にはLED行先表示装置が設置されています。サハ208形950番台の屋根上には50000kcal/hのユニットクーラAU726が、それ以外には42000kcal/hのユニットクーラAU725が取り付けられています。通風器は取り付けられていません。 台車 台車は軽量ボルスタレス方式の動台車がDT61E、サハ208形950番台の付随台車がTR246K、先頭車前位の付随台車がTR246I、それ以外の付随台車がTR246Jで、牽引力は1本リンク式牽引装置を介して伝達されます。枕バネは空気バネ、軸箱支持方式は軸梁式としており、209系0番台と比べて空気バネ有効径が560mmから500mmに変更され、ヨーダンパ取付準備工事が追加されています。動台車の動力伝達方式はCFRP製のたわみ板を用いたたわみ軸継手(TD継手)方式で、歯数比は7.07としています。基礎ブレーキ装置は動台車が車輪踏面片押し式、付随台車が車輪踏面片押し併用ディスク式です。 走行機器及び補機 モハ209-951に設置された主制御装置はIGBTを採用した2ステップVVVFインバータ制御装置SC59、モハ209-952はIPMを採用した3ステップVVVFインバータ制御装置SC60で、モハ208形950番台を含めた8台のMT68より許容回転数を向上させた三相誘導電動機MT73(出力95kW)を車両単位で制御しています。補助電源装置はIGBTを使用した210kVAのSC61あるいはSC62で、モハ208形950番台の床下に設置されています。電動空気圧縮機はスクリュ方式のMH3119-C1600Sでモハ208形950番台の床下に設置されています。集電装置はシングルアーム式パンタグラフPS33がモハ209形950番台の屋根上に1基取り付けられています。209系950番台は情報管理装置(TIMS)を初めて導入しました。TIMSはRS485インターフェイスを用いて、非常ブレーキを除く動力制御、車内放送、乗務員連絡、非常通報装置などの音声情報、空調制御、自動点検を取り扱っています。TIMS導入により引通し線の大幅削減を実現しています。空気ブレーキ装置はT車遅れ込め制御を取り入れた回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキで、TIMSにより編成単位でのブレーキ制御を実現しました。 客室設備 客室設備は一人あたりの座面幅を450mmとした片持ち式ロングシートで、車内は片持ち式のロングシートとしており、6扉車については混雑時座席が収納できる構造になっています。扉間の座席中間にスタンションポールが設置されています。座席のクッション材はリサイクル性を考慮したポリエステル樹脂成形品を採用しました。各出入台上部にはLED式車内案内表示器とドアチャイムが設置されています。熱線吸収ガラスを側窓に採用したため、カーテンを廃止しています。 運用 209系950番台は1998年10月に新製された後、性能試験が実施されました。1999年3月から209系500番台とともに中央・総武緩行線で営業運転を開始しました。2000年のE231系0番台の量産開始に伴い、209系950番台はE231系900番台に改番されました。しかし、2020年にE231系500番台により置き換えられ、余剰となったE231系900番台はサハE230-901とサハE231-902を抜いた8両編成に変更されて、武蔵野線で使用されています。
	主要諸元 項目 内容 電気方式 直流1500V 車両性能 加速度: 2.0km/h/s　最高速度: 120km/h  全長 19500mm 全幅 2950mm 全高 3670mm 台車 DT61E (動台車)　TR246I, J, K (付随台車)) 集電装置 PS33 主電動機 MT73 (95kW) 駆動装置 中実軸TD平行カルダン方式 (歯数比: 7.07) 制御方式 2ステップVVVFインバータ制御(SC59), 3ステップVVVFインバータ制御(SC60) 冷房装置 AU725 (42000kcal/h) AU726 (50,000kcal/h) 設計 JR東日本