E231系500番台

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総武線新小岩-小岩

登場の背景と概要
JR東日本は山手線の保安装置がD-ATCに更新されるのに伴い、山手線で使用されている205系を置き換えるために新型ATCに対応したE231系500番台を投入し、山手線のサービス向上とイメージアップを図ることとしました。E231系500番台は6扉車を2両含む6M5Tの11両編成で、52編成が2002年1月から2005年4月にかけて山手電車区に投入されました。

車体
E231系500番台は幅2950mmの軽量ステンレス車体を採用しています。外板は無塗装で側面の窓下と窓上にはウグイス色の帯が配されました。先頭部を除く車両間に転落防止幌が取り付けられました。先頭部は白色塗装されたFRPカバーで覆われています。7号車と10号車に連結されているサハE230形500番台の車体側面には幅1300mmの自動両開き扉が6箇所設置され、扉間にはUVカット熱線吸収ガラスを採用した窓が設置され、両端と中央し下降窓、それ以外は固定窓です。一方、それ以外の車両は幅1300mmの自動両開き扉が4カ所設置され、扉間及び車端部には熱線吸収ガラスを採用した窓を設置し、中央部を除く扉間は下降窓、それ以外は固定窓です。戸閉装置がスクリュ電動式TKE150で、鴨居部に取り付けられています。また、車体側面にはLED行先表示装置が設置され、車体幕板部には車外スピーカ取付準備工事が実施されています。サハE230形500番台の屋根上には50000kcal/hのユニットクーラAU726Aが、それ以外には42000kcal/hのユニットクーラAU725Aが取り付けられています。通風器は取り付けられていません。

台車
台車は軽量ボルスタレス方式の動台車がDT61G、サハE231形500番台の付随台車がTR246N、先頭車前位の付随台車がTR246M、それ以外の付随台車がTR246Pで、牽引力は1本リンク式牽引装置を介して伝達されます。ヨーダンパ取付準備工事が実施されています。動台車の動力伝達方式はCFRP製のたわみ板を用いたたわみ軸継手(TD継手)方式で、歯数比は7.07としています。基礎ブレーキ装置は動台車が車輪踏面片押し式、付随台車が車輪踏面片押し併用ディスク式です。

走行機器及び補機
モハE231形500番台に設置された主制御装置はIGBTを採用した3ステップVVVFインバータ制御装置SC60Bで、モハE230形500番台を含めた8台の三相誘導電動機MT73(出力95kW)を車両単位で制御しています。SC60Bは純電気ブレーキを採用しており、電動車比率の向上により加速性能がE231系0番台の2.5km/h/sから3.0km/h/sに向上しています。モハE230-502とモハE230-505を除くモハE230形500番台の床下にはIGBTを使用した210kVAの補助電源装置SC61Aとスクリュ方式の電動空気圧縮機MH3119-C1600S1が設置されています。集電装置はシングルアーム式パンタグラフPS33BがモハE231形500番台の屋根上に1基取り付けられています。E231系500番台はRS485インターフェイスを採用した情報管理装置(TIMS)が非常ブレーキを除く動力制御、車内放送、乗務員連絡、非常通報装置などの音声情報、空調制御、自動点検を取り扱っています。空気ブレーキ装置はT車遅れ込め制御を取り入れた回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキで、TIMSにより編成単位でのブレーキ制御を実現しました。また、先頭車の床下にはATC装置が設置されています。

客室設備
客室設備は一人あたりの座面幅を450mmとした片持ち式ロングシートとしており、6扉車については混雑時座席が収納できる構造になっています。扉間の座席中間にスタンションポールが設置されています。座席のクッション材はリサイクル性を考慮したポリエステル樹脂成形品を採用しました。各出入台上部には2台の15インチ液晶ディスプレイ情報提供装置(VIS)とドアチャイムを設置し、右側は行先や停車駅等の情報、左側には動画広告を表示します。熱線吸収ガラスを側窓に採用したため、カーテンを廃止しています。

増備車
2002年2月に製造された503編成以降は、4扉車の冷房装置が50,000kcal/hのAU726Aに変更されました。これに伴いモハE230形500番台は全車、210kVAの補助電源装置SC61Aが設置されました。
山手線と京浜東北線各駅へのホームドア導入に伴い、京浜東北線電車と扉位置を合わせるため6扉のサハE230形500番台を4扉車に置き換えることとなり、サハE231形600番台とサハE231形4600番台が2010年1月から2011年8月にかけて投入されました。

サハE231形600/4600番台
車体
7号車に連結されるサハE231形600番台と10号車に連結されるサハE231形4600番台はE233系をベースとした幅2950mmの軽量ステンレス車体を採用していますが、床面高さは既存のE231系と同一の1165mmです。外板は無塗装で側面の窓下と窓上にはウグイス色の帯が配されました。車両間に転落防止幌が取り付けられました。サハE231形600番台の車体側面には幅1300mmの自動両開き扉が4カ所、扉間及び車端部には熱線吸収ガラスを採用した窓を設置し、中央部を除く扉間は下降窓、それ以外は固定窓です。一方、サハE231形4600番台も車体側面に扉が4箇所設置されていますが、京浜東北線の先頭車とドア位置を合わせるため、一番前の扉が690mm後ろ側に寄せられています。これに伴い、一番前の扉と車端との間には470mm幅の固定窓と700mm幅の下降窓が、一番前とその隣の扉の間には1340mm幅の固定窓がそれぞれ取り付けられています。戸閉装置がスクリュー電動式TKE150で、鴨居部に取り付けられています。また、車体側面にはLED行先表示装置が設置され、車体幕板部には車外スピーカ取付準備工事が実施されています。屋根上には50000kcal/hのユニットクーラAU726Aが取り付けられています。通風器は取り付けられていません。

台車
サハE231形600番台の台車は軽量ボルスタレス方式のTR246P、一方サハE231形4600番台の台車はE233系に採用されている軽量ボルスタレス方式のTR255Aで、牽引力は1本リンク式牽引装置を介して伝達されます。ヨーダンパ取付準備工事が追加されています。基礎ブレーキ装置は車輪踏面片押し併用ディスク式です。

客室設備
客室設備は一人あたりの座面幅を460mmに拡大した片持ち式ロングシートです。扉間の座席中間にスタンションポールが設置されています。座り心地を改善するため、座面にSバネが採用されました。各出入台上部には2台の15インチ液晶ディスプレイ情報提供装置(VIS)とドアチャイムを設置し、右側は行先や停車駅等の情報、左側には動画広告を表示します。熱線吸収ガラスを側窓に採用したため、カーテンを廃止しています。

改造
山手線各駅へのホームドア導入に伴い、2009年から2010年にかけて定位置停止装置TASC、及び電動空気圧縮機未設置のモハ230形500番台への電動空気圧縮機取付が実施されました。また、室内灯のLED化が2013年から実施されました。

運用
E231系500番台は山手線で使用されていた205系を置き換えるため2002年より山手電車区への投入が開始され、2005年に置換えが完了しました。2010年より山手線へのホームドア導入が開始されたことにより、6扉車のサハE230形500番台が4扉車に置き換えられました。2015年から山手線へのE235系0番台の投入が開始され、E235系0番台により置き換えられたE231系500番台はサハE231系4600番台を抜き取った10両編成が三鷹電車区に転属し、中央・総武緩行線で使用が開始されました。E235系0番台によるE231系500番台の置換えは2020年に完了し、E231系0番台は、全車中央総武緩行線で使用されています。

主要諸元
項目	内容
電気方式	直流1500V
車両性能	加速度: 3.0km/h/s　最高速度: 120km/h
全長	19500mm
全幅	2950mm
全高	3655mm
台車	DT61G(動台車)　TR246M, N, P, TR255A(付随台車)
集電装置	PS33
主電動機	MT73 (95kW)
駆動装置	中実軸TD平行カルダン方式 (歯数比: 7.07)
制御方式	3ステップVVVFインバータ制御(SC60B)
冷房装置	AU725 (42000kcal/h) AU726 (50,000kcal/h)
設計	JR東日本