E233系0番台 0番台 2000番台 3000番台 5000番台 6000番台 7000番台 形式一覧	中央線 相模湖-高尾
	登場の背景と概要 中央快速線で使用されている老朽化した201系を更新するため、JR東日本はE231系をさらに進歩させ首都圏の通勤通学輸送の安定性及びサービス向上を図ったE233系0番台を開発しました。E233系0番台は6M4Tの10両編成、4M2Tの6両編成、2M2Tの4両編成があり、2006年11月から2008年2月にかけて、10両編成が42本、6両編成と4両編成がそれぞれ16本、豊田電車区に投入されました。 車体 幅2950mmの軽量ステンレス車体を採用し、床面高さをE231系より35mm下げた1130mmと低くしており、車体の低重心化とホーム段差の縮小によるバリアフリー化を実現しています。台枠横梁、側柱、屋根垂木の位置を一致させたリング構造とすることで、側面強度を向上させました。外板は無塗装で側面の窓下と窓上にオレンジ色の帯が配されました。車体構造は製造を担当した会社により異なります。東急車輌製造及びJR東日本新津車両製作所製の車体は、従来からの梁と外板を組み合わせた構造(梁が強度を保っている)を改良したものを採用しています。一方、川崎重工業製の車体は、プレスされた部材と外板を突き合わせそれ自体が強度を保っている、いわゆる2シート工法が採用されています。運転室は踏切事故を考慮してE231系0番台より185mm高く設置すると共に、踏切事故時の衝突エネルギ吸収構造を採用したため運転室は長手方向に560mm長くなりました。このため先頭車の一番前の扉がE231系0番台と比べて860mm後寄りに設置されています。前面窓の上にフルカラーLEDの行先表示装置とその左右には高輝度放電灯(HID)を採用した前照灯と角形のLED尾灯が取り付けられた先頭部は銀色塗装されたFRPカバーで覆われています。先頭部を除く車両間に転落防止幌が取り付けられました。車体側面には幅1300mmの自動両開き扉が4カ所設置され、押しボタンによる手動開閉が可能です。扉間及び車端部には熱線吸収ガラスを採用した窓を設置し、中央部を除く扉間は下降窓、それ以外は固定窓です。また、遮音性と断熱性の向上、及び結露防止のため全ての窓に熱線吸収複層ガラスを採用しました。戸閉装置はスクリュ電動式TKE150Dで、鴨居部に取り付けられています。また、車体側面にはフルカラーLED行先表示装置と駅で待つ乗客に車掌が案内放送をするためのスピーカが設置されています。6両編成と4両編成を連結するため、クハE233形500番台及びクハE232形500番台に自動解結装置が取り付けられています。屋根上には50000kcal/hのユニットクーラAU726Aが取り付けられています。通風器は取り付けられていません。 台車 台車は軽量ボルスタレス方式の動台車はモハE232形200番台がDT71B、それ以外の電動車はDT71A、付随台車は先頭車の前位がTR255、それ以外がTR255A、牽引力は1本リンク式牽引装置で伝達されます。床面高さを低くするため、台車側梁を弓形にすることで枕バネ位置を低下されています。枕バネは空気バネ、軸箱支持方式は軸梁式とし、120km/h運転時の安定性確保のためヨーダンパの取り付け準備工事が実施されています。動台車の動力伝達方式はCFRP製のたわみ板を用いたたわみ軸継手(TD継手)方式で、歯数比は6.06としています。基礎ブレーキ装置は車輪踏面への熱影響を防止するため動台車が自動隙間調整装置を内蔵したユニット式の車輪踏面片押し式、付随台車は踏面ブレーキを併用した1軸2枚のディスクブレーキとしており、TR255には留置ブレーキも取り付けられています。 走行機器及び補機 モハE233形に設置された主制御装置はIPMを採用した2ステップVVVFインバータ制御装置SC85で、モハE232形を含めた8台の三相誘導電動機MT75(出力140kW)を車両単位で制御しています。4両編成以外電動車ユニット間は、架線セクション間のトロリ線溶断防止のため高圧母線により接続されています。200番台を除くモハE232形の床下には待機二重系のIGBTを使用した260kVAの補助電源装置SC86が取り付けられています。先頭車及びサハE233形500番台の床下にはスクリュ方式の電動空気圧縮機MH3124-C1600SN3が設置されています。集電装置はシングルアーム式パンタグラフPS33DがモハE233形の屋根上に1基取り付けられ、モハE233形0番台と600番台には予備パンタグラフが取り付けられています。E233系0番台は10Mbpsの伝送能力を持つ情報管理装置(TIMS)が非常ブレーキを除く動力制御、車内放送、乗務員連絡、非常通報装置などの音声情報、空調制御、自動点検を取り扱っています。空気ブレーキ装置は抑速ブレーキとT車遅れ込め制御を取り入れた回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキで、TIMSにより編成単位でのブレーキ制御を実現しました。先頭車の床下にはATS-P装置とATS-SN装置が設置されています。 客室設備 客室設備は一人あたりの座面幅を460mmとした片持ち式ロングシートで、座面のクッション材をSばねで受ける構造を採用しています。扉間の座席中間にスタンションポールが設置されています。荷物棚はE231系のパイプ式から、スリットの入った板状に変更されました。吊革は車体全長にわたって取り付けられ、吊革は黒色成型の三角形のもので、優先座席付近のみオレンジ色となっています。各出入台上部には2台の15インチ液晶ディスプレイ情報提供装置(VIS)とドアチャイムを設置し、右側は行先や停車駅等の情報、左側には動画広告を表示します。運転席に速度計や圧力計などを表示する液晶ディプレイが3面取り付けられ、左手ワンハンドルマスコン方式を採用しました。 増備車 青梅線、五日市線向けに6両編成が12本と4両編成が9本、2007年11月から翌年3月にかけて追加製造されました。また、2020年に中央線用に10両編成が1本追加製造されました。 サロE232形0番台/E233形0番台 JR東日本は中央線快速電車にグリーン車2両を連結した12両化を進めるため、2022年に2階建てグリーン車サロE232形0番台とサロE233形0番台を開発しました。 2階部の定員を増やすため低床台枠寸法が長くなったため台車中心間隔が従来の2階建てグリーン車より670mm長い14820mmとなり、曲線における偏倚量が増えるため車体幅を2880mmとし、平屋部の床面高さは1130mmとしています。車体側面に幅1300mmの両開扉が2箇所設置され、押しボタンによる手動開閉が可能です。戸閉装置はスクリュ電動式TKE150Dで、鴨居部に取り付けられています。2階建部は広幅固定窓、車体両端部の平屋部座席ごとの小窓が設けられました。車体側面にはLED行先表示装置と駅で待つ乗客に車掌が案内放送をするためのスピーカと行先方向幕が設置されました。両端部屋根上には20,000kcal/hのユニットクーラAU729-G3が取り付けられており、冷房装置妻面には2階建ての階上/階下用の、冷房装置底面には平屋部用の吸気口がそれぞれ設けられ、各室の温度を個別に制御します。 台車は軽量ボルスタレス方式のTR255Cで、牽引力は1本リンク式牽引装置で伝達されます。床面高さを低くするため、台車側梁を弓形にすることで枕バネ位置を低下されています。枕バネは空気バネ、軸箱支持方式は軸梁式とし、120km/h運転時の安定性確保のためヨーダンパの取付準備工事が実施されています。基礎ブレーキ装置は踏面ブレーキを併用した1軸2枚のディスクブレーキとしています。 客室設備はシートピッチが960mmの2-2列配置で、天井照明LED照明を採用しました。折返時間短縮のため、2階建て部の座席は自動回転式としています。平屋部の車内仕切扉は、ファイバセンサ式の自動扉です。E233系0番台は普通列車グリーン車Suicaシステムを導入しており、座席管理装置やSuicaリーダ/ライタが取り付けられました。なお、サロE233形0番台の車端には乗務員室、及び真空式汚物処理装置付き洋式トイレと温度調節付き自動水栓を備えた洗面所が設置されました。 改造 10両編成と6両編成のグリーン車組み込みに伴い、モハE232形200番台の床下にはIGBTを使用した260kVAの補助電源装置SC86が追加設置されました。また、サハE233形500番台と6両編成に組みこまれているモハE233形200番台の後側車端には真空式汚物処理装置が採用した車椅子対応大形トイレと、その向かいに車椅子スペースが設置されています。これに伴い、トイレの追加改造をしたモハE233形は800番台に区分されました。 運用 E233系0番台は2006年12月に中央線快速電車で、2007年3月に青梅線、五日市線でそれぞれ営業運転を開始し、現在も中央線東京-大月間、青梅線、五日市線、及び富士急行線で使用されています。
	主要諸元 項目 内容 電気方式 直流1500V 車両性能 加速度: 3.0km/h/s 減速度: 5.0km/h/s　最高速度: 120km/h  全長 19500mm 全幅 2950mm 全高 3620mm 台車 DT71A(動台車)　TR255A (付随台車) 集電装置 PS33D 主電動機 MT75 (140kW) 駆動装置 中実軸TD平行カルダン方式 (歯数比: 6.06) 制御方式 3ステップVVVFインバータ制御(SC85) 冷房装置 AU726A (50,000kcal/h) 設計 JR東日本