209系0番台 0番台 500番台 1000番台 2000番台 3000番台 3100番台 形式一覧	京浜東北線 品川
	登場の背景と概要 JR東日本は1992年に次世代通勤形電車として、「寿命半分、価格半分、重量半分、ノーメンテナンス」をコンセプトに掲げた3種類の901系直流通勤形電車の量産先行車を営業運転に投入し、様々な比較検討に基づき量産車仕様を検討しました。そして、901系の量産タイプである209系電車を開発しました。209系は4M6Tの10両編成が京浜東北線に12編成、4M2Tの6両編成が南武線に1編成、1993年に投入しました。 車体 車体は幅2800mmのビードレス狭幅軽量ステンレス車体を採用しました。車体構造は製造を担当した会社により異なります。東急車輌製造製の車体は、従来からの梁と外板を組み合わせた構造(梁が強度を保っている)を改良したものを採用しています。一方、川崎重工業製の車体は、プレスされた部材と外板を突き合わせそれ自体が強度を保っている、いわゆる2シート工法が採用されています。外板は無塗装で側面の窓下と幕板にはカラーフィルムによる帯が配されており、京浜東北線用はスカイブルー、南武線用は黄色、オレンジ色、ぶどう色となっています。先頭部は白色塗装されたFRPカバーで覆われています。先頭部を除く車両間に転落防止幌が取り付けられました。車体側面には幅1300mmの自動両開き扉が4カ所設置され、扉間には熱線吸収ガラスを採用した固定窓、車端部には下降窓が設けられました。戸閉装置は直動式で、鴨居部に取り付けられています。各出入台上部にはLED式車内案内表示器とドアチャイムが設置されています。また、車体側面には電動行先方向幕が設置されています。屋根上には42000kcal/hのユニットクーラAU720Aが取り付けられています。通風器は取り付けられていません。 台車 台車は軽量ボルスタレス方式の動台車がDT61、付随台車がTR246で、牽引力は1本リンク式牽引装置を介して伝達されます。空気バネを側梁に取り付けることで台車構造を簡素化したため、空気バネ取付間隔がDT50と比べて200mm狭くなっています。枕バネは空気バネ、軸箱支持方式は軸梁式としています。動台車の動力伝達方式はCFRP製のたわみ板を用いたたわみ軸継手(TD継手)方式としています。基礎ブレーキ装置は動台車が車輪踏面片押し式、付随台車が車輪踏面片押し併用ディスク式です。 走行機器及び補機 モハ209形に設置された主制御装置はモジュール型低耐圧GTOサイリスタを採用した3ステップVVVFインバータ制御装置SC41Aで、モハ208形を含めた8台の三相誘導電動機MT68(出力95kW)を車両単位で制御しています。補助電源装置はGTOを使用した210kVAのSC37で、モハ208形の床下に設置されています。電動空気圧縮機はスクリュー方式のMH3096-C1600Sでモハ208形及びクハ209形の床下に設置されています。集電装置はPS21より小型化した菱形パンタグラフPS28Aがモハ209形の屋根上に1基取り付けられています。空気ブレーキ装置は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキです。 客室設備 客室設備は一人あたりの座面幅を450mmとした片持ち式ロングシートで、扉間の座席中間にスタンションポールが設置されています。先頭車の車端部には車椅子スペースが設けられました。車内内張はモジュール化し、客室天井は照明台座、冷房用ダクト、ラインデリア吹出口をFRP一体成形し、艤装を容易にしました。また、出入り口鴨居部にLED式車内案内表示器とドアチャイムが取り付けられました。熱線吸収ガラスを側窓に採用したため、カーテンを廃止しています。運転席は901系B編成の左手ワンハンドルマスコン方式を改良したものを採用しました。また、客室と乗務員室の間に「非常用救出口」が用意されています。 運用 209系は1993年2月より京浜東北線で営業運転を開始しました。1993年4月には南武線でも営業運転を開始しました。 増備車 1993年に製造された3次車でいくつかの設計変更が行われました。戸閉装置がスクリュー電動式に変更されました。これに伴い、クハ209への電動空気圧縮機取り付けは省略されました。また、京浜東北線の混雑緩和のため6号車に6扉のサハ208形が導入されると共に、1, 2次車の6号車に使用されていたサハ209形がサハ208形に置き換えられました。車体側面には1300mmの自動両開き扉が6カ所設置され、車体両端及び中央の扉間には熱線吸収ガラスを採用した自動閉装置付下降窓、それ以外には固定窓が設けられました。座席は電動収納式の3人掛けロングシートで、乗務員室での操作により自動収納することができます。また、扉間の車体中央にはスタンションポールが設置されています。屋根上には50000kcal/hのユニットクーラとAU722が取り付けられており、ユニットクーラのファンにより新鮮気を取り入れるようになっています。台車はTR246Fです。 改造 扉間の窓のうち2枚を開閉式にする改造工事が2005年より開始されました。窓を1:2の割合で2分割し、大きい方の窓を上段下降、下段固定の二段式窓としました。 廃車 京浜東北線用車両は、E233系1000番台により2007年より置き換えが進行し、2010年に京浜東北線の運用から撤退しました。これらのうち、一部の車両は209系2000番台、209系2200番台に改造され、残りは廃車となりました。
	主要諸元 項目 内容 電気方式 直流1500V 車両性能 加速度: 2.5km/h/s　最高速度: 110km/h  全長 19500mm 全幅 2800mm 全高 4086mm 台車 DT61(動台車)　TR246(付随台車) TR246F (サハ208) 集電装置 PS28 主電動機 MT68 (95kW) 駆動装置 中実軸TD平行カルダン方式 (歯数比: 7.07) 制御方式 3ステップVVVFインバータ制御(SC41, SC41A) 冷房装置 AU720A (42000kcal/h) AU722A (50,000kcal/h) 設計 JR東日本