キハ47 500番台

キハ47500番台

キハ40-100
キハ40-500
キハ40-2000
キハ41
キハ47-0
キハ47-500
キロシ47
キハ47 (かわせみ)
キハ48-0
キハ48-500
キハ48-700

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キハ47 1500番台
磐越西線東新津-新関

登場の背景と概要
新潟地区の非電化区間で使用されていたキハ17系気動車の老朽化が著しくなったことから、1978年に国鉄はキハ47形0番台を寒地仕様としたキハ47形500番台片運転台一般形気動車を開発しました。1987年の分割民営化に伴い、キハ47形500/1500番台はJR東日本に23両、JR西日本に6両、JR四国に12両、JR九州に5両が継承されました。

車体
車体は片運転台車で、車体長20806mm、車体幅2930mmの大型車体を持つ普通鋼製とし、側面の外板は1.6mm、屋根と床板は1.2mmの車両用耐候性高張力鋼板を使用しています。前面窓下は踏切事故対策として4.5mmの鋼板を用いると共に高運転台構造を採用しました。前面にはすきま風を防止するため膨張性シールゴムが使用された貫通扉が取り付けられており、貫通扉の上には行先表示幕、その左右にはシールドビームを採用した前照灯が取り付けられています。車体側面には1300mm幅のステップ付き両開き半自動扉が2箇所設置されています。戸閉装置はTK106で鴨居部に取り付けられています。扉間には2段上昇式ユニット窓が取り付けられています。屋根上には押込み形通風器とトイレ用として250lのFRP製水タンクが2つ設置され、鉄製のカバーで覆われています。床下には15,000kcal/hの暖房用熱交換器が2台取り付けられており、機関冷却水の熱で暖めた空気を電動ファンで車内に送り込みます。床下機器には防雪カバーが取り付けられています。車体全面が朱色5号に塗装されています。

台車
台車はインダイレクト方式の動台車がDT44、付随台車がTR227で、枕バネはダイヤフラム式空気バネ、軸箱支持方式はペデスタル方式とし、軸バネにはゴムでコイルバネを被覆したエリゴバネを、密封式円筒形コロ軸受けを採用しています。基礎ブレーキ装置は車輪踏面片押し式で、ブレーキシリンダは台車装荷となっています。

走行機器及び補機
機関はシリンダヘッドが1筒一体形で出力が220PSのDMF15HSAで、高出力を得るためTB15過給器が取り付けられています。液体変速機は1段3要素の充排油方式で、キハ66系のDW9を改良したDW10とし、湿式多板クラッチを採用しています。床下には機関により駆動されるCW750D空気圧縮機が取り付けられています。ブレーキは応荷重装置付電磁自動 (CLE)ブレーキを採用しています。

客室設備
客室設備はシートピッチ1470mmのセミクロスシートで、天井に扇風機が設置されました。キハ47形500番台の車体後寄りには和式トイレが設置されています。

増備車
1979年以降に製造された車両から、台車の軸箱支持方式に円筒案内式のウイングバネを採用したDT44A/TR227Aに変更されました。キハ40形500番台は1982年までに94両が製造されました。

改造
JR東日本
JR東日本はキハ47形500/1500番台に15,500kcal/hの機関直結式冷房装置AU26J-Aを2台取り付け、更に機関を300PSのカミンズ製DMF14HZに取り替える改造を2001年に実施しました。なお、液体変速機はDW10のままです。

JR西日本
JR西日本はワンマン運転を行うため、数両に対して整理券発行機を出入り口に、運賃表示器と運賃箱を運転席後部に設置する改造を1989年より開始しました。この際、運転席後ろのロングシートは撤去されています。
また、26,000kcal/hのサブエンジン式冷房装置AU34を取り付ける工事が1990年より実施され、全ての車両が改造されました。更に、車両保守費の低減と走行性能の向上を目的として、1995年から2001年にかけて機関が330PSのコマツ製SA6D125H-1Aに、変速機がKTF3335A-1Aに取り替える改造を実施しました。車体の補修、側窓を下段固定上段上昇窓への取り替え、車内化粧板の更新、半自動扉の押しボタンによる手動開閉機能の追加、そして27,000kcal/hの機関直結式冷房装置WAU201に取り替えを行う延命工事が1999年から2010年にかけて実施されました。
なお、広島、山口地区で使用されている車両には、車体側面にLED式行先表示装置が取り付けられました。

キハ47形2500番台
JR西日本は1994年から1997年にかけて山陰線、境線、芸備線で使用されている3両のキハ47形500番台の内装を中央部のボックスシート4箇所以外を全てロングシートに改造し2500番台で区分しました。

キハ47形3500番台
JR西日本は1994年と1997年に山陰線、境線、芸備線で使用されている2両のキハ47形1500番台の内装を中央部のボックスシート4箇所以外を全てロングシートに改造し3500番台で区分しました。

JR四国
JR四国は1988年に18,000kcal/hの電気式冷房装置F-TUR300-104を2台屋根上に、冷房装置への電源を供給する44PSのディーゼル発電機S4F床下に設置しました。

JR九州
JR九州はキハ47形500番台とキハ47形1500番台に対してAU34を基に冷房能力を2,700kcal/としたサブエンジン式冷房装置K-AU600を取り付ける工事を1987年から開始しました。また、屋根上の押込式通風器は全ての車両において、キハ47形500番台の屋根上水タンクについては、老朽化が進行した一部にいて撤去が実施されました。なお、一部の車両に対して冷房能力を向上するため、走行機関直結式のAU619K (20,600kcal/h)が取り付けられています。

キハ47形8500番台
キハ47形0番台を高出力化した車両を運行している線区で使用されている未改造のキハ47形500番台の1両に対して機関を排気ガス対策としてコモンレール燃料噴射システムを採用した出力300PSのコマツ製SA6D125HE-1に、液体変速機を新潟コンバータ製TACN-22-1612Aに取り替える改造を2005年に実施し8500番台で区分されました。

キハ47形9500番台
キハ47形1000番台を高出力化した車両を運行している線区で使用されている未改造のキハ47形1500番台の1両に対して機関を排気ガス対策としてコモンレール燃料噴射システムを採用した出力300PSのコマツ製SA6D125HE-1に、液体変速機を新潟コンバータ製TACN-22-1612Aに取り替える改造を2005年に実施し9500番台で区分されました。

運用
キハ47形500/1500番台は新潟地区の非電化路線のローカル輸送に使用されてきました。しかし、JR東日本ではキハ100系、キハ110系、キハE130系への置換えにより2021年に全て廃車となりました。
JR四国では1000形や1500形の導入に伴い、「伊予灘ものがたり」に改造された2両を除き全て廃車となっています。
一方、JR西日本、JR九州ではYC-1形の置換えで廃車が発生したJR九州を除いて、引き続き非電化路線のローカル輸送に使用されています。

主要諸元
項目	内容
車両性能	最高速度: 95km/h
全長	21300mm
全幅	2903mm
全高	4055mm
台車	DT44, DT44A (動台車)　TR227, TR227A (付随台車)
駆動機関	DMF15HSA (220PS)/DMF14HZ (300PS)/SA6D125H-1A (330PS)/SA6D125HE-1 (300PS)
液体変速機形式	DW10/KTF3335A-1A/TACN-22-1612A
冷房装置	AU26J-A (15,500kcal/h×2)/AU34 (26,000kcal/h)/WAU201 (27,000kcal/h)/F-TUR300-104 (18,000kcal/h×2)/K-AU600 (27,000kcal/h)/AU619K(20,600kcal)
設計	日本国有鉄道